|
微かな花のような上立ち香があり、含み香は林檎か蜂蜜のような香りがします。味わいは、当たりがまろやかでやわらかい膨らみがあります。新酒の固さも少し感じられますが、十分な米の旨みと渾然一体となって、非常に心地よいバランスとなっております。
<ONLY製造サイド>
今年は、生原酒用には、兵庫山田錦100%の仕込みを別に立てております。製造していると、山田錦一辺倒では、いけないと思いつつこの米の魅力には、抗し難いところがあります。造り易いといえばそれまでですが、蒸し米の弾力といい、出来上がった酒の膨らみ、なめらかさは、なかなか他の米ではかないません。ただ、この米の魅力は、純米、アル添また精米歩合により様々な方法がありますが、純米酒の精米歩合60%では、こうじでも、ハゼをまわしつつ抑え、もろみでも溶かしつつ抑えるような所に面白みがあります。
<その他>
昨年との比較となりますと、新酒の段階では、格段に飲みやすいと思います。昨年と数字は特に大きな変化はありませんが、酸が正面に出ていた昨年に比べ今年はかなりまろやかです。本質的な説明ではなく、擬似的な表現ですが、高橋杜氏と千葉杜氏の中間にあるような酒です。 |