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純米大吟醸H21BY 兵庫県産山田錦 精米40% 静岡県酵母HD-1 日本酒度+3.0 酸度1.3 アルコール分15-16度
純米大吟醸H17BY 兵庫県産山田錦 精米40% 静岡県酵母HD-1 日本酒度+3.0 酸度1.3 アルコール分15-16度 華やかなカプロン酸エチルの香りも爽やかな酢酸イソアミルの香りの両方が楽しめます。これは、2本のもろみの内1本は華やかな香り、もう1本は爽やかな香りに仕上がったためです。しっかりとした甘味と酸味があり、酒に落ち着きがあります。 <製造サイドからの視点> 今年は2本のもろみにそれぞれ個性がでました。1本はいかにも静岡タイプの酒となり、もう1本はやや派手目の春から味がのったタイプとなりました。
純米大吟醸H16BY 兵庫県産山田錦 精米40% 静岡県酵母HD-1 日本酒度+3.5 酸度1.3 アルコール分15-16度 独特な花のようなパッションフルーツのような香りがあります。味わいは、透明感があり米のふわっとした甘味と旨みがあります。 <製造サイドからの視点> 今年の造りの中で、最も決断に迷った事は、静岡県酵母HD-1の使用を復活させるかどうかという事です。静岡県酵母でもNEW-5は、比喩的にいえば非常に素直な性格の酵母で、どのような条件下でも、それなりの酒に仕上がります。反面すべてに中庸であるともいえます。対称的にHD-1は、傑作か駄作かがはっきりと結果がわかれる酵母です。またこの酵母を生かすためには、造り自体も独特なものであり、杜氏が代わった初年度にHD-1の使用は、危険がともないます。しかし、田中杜氏と常に意見交換が出来ますので思いきって製造しました。もろみの時点からHD-1にしては、かなり香りが高くなりました。もろみ日数はかなり長くなりました。通常ではもろみ後半で香りがやや失われるものですが、この仕込では香りはが保たれました。これは成功仕込みのあかしでもあります。但し、カプロン酸エチル突出型の香りではないので花のような香りと表現しました。かつ味わいにおいては、古典的な静岡吟醸の味の輪郭があるかと思います。日本酒度、酸度は偶然にもH15BYと同じですが対称的なお酒です。 純米大吟醸H15BY 兵庫県産山田錦 精米40% きょうかい9号系酵母 日本酒度+3.5 酸度1.3 アルコール分16-17度 今年度の純米大吟醸は、すべてきょうかい9号系での仕込みとなりました。香りはナチュラルですが、立ち香では、おとなしめのバナナ系の香り、新緑の森のような香りがあり、含み香では、それらの香りに林檎系の香りがさらにプラスされます。 もろみの内1本は、+2.0前後のやや甘めで仕上がりました。他の+4.0前後のもろみとブレンドして+3.5ぐらいとなりました。 味わいにおいては、山田錦らしい力強い米の旨みがあります。第一印象は淡麗ですが、内に秘めたパワーがあります。また数字としては低酸ではありますが、個性的な酸が楽しめます。 低温では、硬いイメージがありますが、やや温度が上がると旨みがひろがります。 純米大吟醸H14BY 兵庫県産山田錦 精米40% きょうかい9号系酵母 1A酵母 日本酒度+5.0 酸度1.3 アルコール分15-16度 <瓶詰め時の平成14年4月の印象> 今年の製造の上での、一番大きな変化は、昨年はすべての仕込みにきょうかい9号酵母を使用したのに対して、今年は、仕込み1本だけ1A酵母を使用しております。こちらの酵母の特徴は、もろみ後半キレがよく、香りは、控えめですが味にメリハリがある点です。確かにこのもろみだけは、酸度が1.7まであがり(他は1.3前後)力強い仕上がりとなりました。 香りは若々しく、立ち香では、おとなしめのバナナ系の香り、新緑の森のような香りがあり、含み香では、それらの香りに林檎系の香りがさらにプラスされます。 味わいにおいては数字としては低酸ではありますが、酸が洗練された印象を与え、味にアクセントをつけています。低温ではやや淡麗に感じられますが、温度があがるにつれ米のやわらかさが楽しめます。 今は、どちらかというと淡い味付けの旬の筍とか山菜や加工度が高い料理では繊細な味付けの懐石料理等が合いそうですが、この組み合わせは酒の熟成次第でどうも変わりそうです。 純米大吟醸H13BY 兵庫県産山田錦 精米40% きょうかい9号系酵母 日本酒度+1.5 酸度1.4 アルコール分15-16度 この酒に関しては、十分酒だけで味の世界が完結しています。しかし大吟醸と違い食に対して排他的ではないので、食中酒として上質の食であればすべての和洋中華を問わず調和します。香りの強さは、一定のある点よりは強くなってはならないと考えています。はじめの立ち香は、軽い柑橘系の香り、含みは林檎系のカプロン酸エチルの吟醸香主体としながらもバナナ系も絡み複雑な香です。味わいは、山田錦らしいきれいさがあるが温度が上がれば、複雑を増します。冷でもおいしいが、気温の低い日はぜひ、常温、ぬる燗で味わうのも魅力的です。 |