| 紙パック容器 まずは、日本酒容器の主流が紙パックとなっている現実を 以下が王冠メーカー喜多産業のメールマガジンからの引用です。 (前略) さて私が(新潟県の杜氏さんの講習会で)で話したのは、紙パック、ガラスびん、その他のパッケージ に関する価値観や歴史の一考察。 そもそも容器の多様化が始まった当初、昭和50年代前半は、 紙パック、バッグインボックス、PETボトルの3つ巴の戦いだったが、 (志太泉注 バックイボックスとは、こんなのです。⇒http://www.sekisui-pack.com/html/search/list/rontena.html) 何故ゆえに紙パックが勝ち残ったか、などといった話をした。 約400万石が現在の清酒出荷量。清酒の各種パッケージを仮に (紙パック):(一升びん):(カップびん):(小壜その他) と区分してみると、その割合は、 (50):(30):(5):(15) というのが現在の全国平均。いまやほぼ半分が紙パックである。 講演を行った新潟ではどうか。 新潟に限ったデータはないが、 業界関係者はご存知のとおり全国平均からは明らかにずれている。 私の感覚では、 (5):(60):(5):(30) くらいと思う。 (志太泉注 静岡県産酒の出荷量は私の感覚だと(5):(65):(0-1):(30) 一方、NB(ナショナルブランド=大手)はというと、 各社によって相当個性があるので一概には言えない。 が、平均化したイメージをいうと (65):(15):(10):(10) だろうか。紙パック重視のメーカーが多く、 出荷量の75%〜80%が紙パックというところもある。 参考までに今から20年前の話をすれば、 1985年の清酒出荷は約750万石で全国の比率は (8):(73):(4):(15) であった。 この20年で、紙パック比率は実に8%から50%に(NBはそれ以上に) 増加したわけだ。 一方、新潟は一番変わっていない地域といえる。 (以上のデータは日刊工業通信社の酒類食品統計月報、 ならびに当社の推定。以下も同じ。) さて、「紙パック」の中にはさらに、 バーゲン対象になる「経済パック」といわれるカテゴリーがある。 ご存知のとおり1.8リットルを2リットルに増量したものが主流。 現在では紙パックの80%以上がこの「経済パック」に属する。 「経済パックにあらずんば紙パックにあらず」的な状況だと思う。 1985年の経済パックは23万石(うちNB製品のシェアは55%) 2005年の経済パックは170万石(うちNB製品のシェアは30〜40%) 清酒約400万石のうち、なんと、いまや170万石が経済パック。 20年の数量変化だけ見ると 「経済パックこそが清酒の需要量下落を下支えしてきた」 という言い方もできるが、私の意見は否定的。 NB製品のシェアに着目すると、この20年で大きく下げている。 地方の中堅蔵も参入し、混戦を展開している状況である。 「増量戦略(2リットルパック)」や「ディスカウント戦略」の マーケティング上というか、経営手法的な目的は 「自社のシェア向上」や「酒類間のパイ拡大」にあるはず。 だが、結果はかえってシェアを下げている。 選挙ではないが、「過半勢力が全体を方向付ける」のは当然。 すなわち、「紙パックは清酒全体のイメージに影響」する。 しかも紙パックのほとんどが経済パックである状況は、 今後改善していかねばならない状況ではないか、と考える。 ●▲■ 話は変わるが、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧では、 ワイン販売のうち60%(!)が紙容器(バッグインボックス) になっていると聞く。 ワインは、清酒と違って容器多様化が進んでいなかった酒類だが、 世界的に見るとここに来て缶詰や紙容器など新容器の展開が華やか。 ワインで世界6位のThe Wine Groupが バッグインボックス戦略をとっていることが大きい。 (The Wine Groupの「フランジア」は単独ブランドでの 販売量世界一のワイン。日本ではキリンさんが扱う。) 紙パックには、軽い、遮光性、コンパクトネスなど本来の良さがある。 ディスカウント商品にせずに、 紙容器の本来の良さを生かした商品戦略を立てればよかったはずだが、 清酒の場合、イメージ回復はなかなか難しいのではないかと感じている。 たとえばボルドー型、ブルゴーニュ型などといった、 地域アイデンティティーのあるガラスびんが確立しているワインは 一つのヒントになるのではないか。 (text:喜多常夫) 一升瓶出荷量中73%を占めていた1985年、おそらく日本酒といえば、一升瓶を思い浮かべ、酒に詳しくない一般の人は、「よくわからないけれど、普通の2級酒となんか高級そうで良さそうな1級酒があり、パック酒=安酒」と思っていたと思われる。現実的には、当時1級酒と2級酒は中身の差はあまりなかった。でもイメージと現実には著しい差があった。 2005年現在、志太泉を含め多くのいわゆる地方地酒メーカーやいわゆる地酒専門酒販店は、「日本酒の中で美味しくない経済酒(多くの場合パック酒)もありますが、美味しい吟醸酒や純米酒もありますよ。」言い続けてきた。現実問題この主張は概ね妥当ではないかと思う。 ただし。現在一般の人の日本酒のイメージは、「一升瓶の日本酒は、美味しいがどうかよくわからない。でもパック酒の日本酒はまずい。」となっている危険性が高い。 一般消費者にとっては、1級酒と2級酒という現実的には品質差が少ないカテゴリー分けの方が、実質的な差がある特定名称酒のカテゴリー分けよりもなぜか説得力があり、むしろ容器でネガティブイメージのみが伝えらるという非常に厳しい状態にありそうだ。 ちなみに、この状態がなぜ生じたかは、それぞれの立場によりいろいろな解釈が可能である。 知ってるつもり 日本酒梅酒 今年は、様々な梅酒がブレークしています。日本酒で梅酒を漬けるのは、すごく美味しいのですが、消費者が日本酒ベースの梅酒を作るとほとんどの場合なんと懲役になる危険があります。 まず、梅酒等を消費者が作る事は、問題があるのでしょうか?国税庁HPの酒類関係情報、お酒についてのQ&Aから
ところが、この梅酒作りには条件があります。
[酒税法施行令 第五十条第十項] 法第四十三条第九項に該当する混和(つまり梅酒等作る行為)は、次の各号に掲げる事項に該当して行われるものとする。 一
当該混和前の酒類は、アルコール分が二十度以上のもの(酒類の製造場から移出されたことにより酒税が納付された、若しくは納付されるべき又は保税地域から引き取られたことにより酒税が納付された、若しくは納付されるべき若しくは徴収された、若しくは徴収されるべきものに限る。)であること。
二
酒類と混和をする物品は、糖類、梅その他財務省令で定めるものであること。
三
混和後新たにアルコール分が一度以上の発酵がないものであること。
ところが、日本酒(特に純米酒)は、非常に稀なケースを除けば、アルコール度は二〇度まではありません。そういえば、市販されている梅酒用日本酒は、確かアルコール度が22度くらいありました。つまりアルコール度二〇度以下の日本酒で梅をつけるとリキュール免許が無い製造は密造酒となり、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。 でも、なぜ20度にこだわるでしょうね。税務当局にとって最も望ましくない事態は、酒類免許がない者=酒税を払わない輩が、自由にお酒を造りまくって酒税の税収が減る事でしょう。ですから混和後、二次醗酵が生じてそこでアルコールが一度以上増え酒税を払わない輩がいい塩梅となるのは忌忌しき事態です。それを防ぐには、梅にアルコールを生産する野生酵母がくっついたとしても漬ける酒のアルコール度が20度あれば、梅果汁や氷砂糖が溶出して酵母が生存可能なアルコール度に薄まる前に、死滅させる事ができるという事ではないかと私は予測しています。同じ理由で、米やこうじやぶどうの混和に対しては、二次醗酵の栄養源として極めてナーバスに規定していると思われます。 「七個八個 梅の実あれども 漬けられず リキュール免許 なきぞかなしき」 白鶴酒造、酒かす中のがん予防物質を発見 以下、日刊工業新聞からのコピーです。どんな切り口からでも日本酒見直しのきっかけになればよいですね。 【神戸】白鶴酒造(神戸市東灘区、嘉納健二社長、078・822・8901)は30日、酒かす中にがんの予防やしわの発生を抑制する物質が含まれていることを発見したと発表した。 9月9日に開かれる日本醸造学会で発表する。 大学と連携して機能を解明するとともに、産業化に向けたプロジェクトの立ち上げも計画している。 新産業創造研究機構(NIRO、神戸市中央区)が運営する「兵庫県天然生理活性物質コンソーシアム」での共同研究の過程で発見した。 がん細胞の増殖に関連する酵素の活性抑制評価や、しわの発生などに関連する血管新生抑制評価などで酒かす中の生理活性物質をスクリーニングしたところ、いずれも明らかな効果が認められたという。 健康食品や化粧品、医薬品などへの応用が見込め、神戸薬科大学の棚橋孝雄教授らと有効物質を分離し、機能を明らかにする研究を急いでいる。 (日刊工業新聞) - 8月31日8時31分更新
燗酒と酒器 今回のかわしま酒の会に燗酒普及協会の木村氏がブースを出店されておりました。休み時間に燗酒を利き酒させていただきました。 木村氏が同じ燗酒でも酒器によって味が変わるというので半信半疑で試してみました。結論的にいうと味ははっきりとした差がありました。 これは、酒器の形状と容量により、お酒を口に入れたとき酒がどの舌のどの部分に流れ込むという差がある事。 舌で味を感じる部分は場所によりでどの味を感じやすいという差があり、舌先では甘味を舌の両サイドでは酸味を、奥では苦味を感じやすい事。 この二点により、例えば、丸みを帯びた小さめな酒器では、舌先に酒が流れ込みやすいため甘味を強く感じ、ややシャープな形状の舌の両サイドに酒が流れるので酸味を強く感じるという差を生じるようである。 但しこの舌の味覚地図には、どうも異論が多いようである。お医者さんのサイト、製薬会社のサイトでも舌の味覚地図の存在に言及されている反面、否定的な考えも多い。 素人にはよくわからないが、どうも、甘味、酸味、塩味、苦味に対してそれぞれの受容体があるというのが古典的な考えでその受容体が舌の中で特異的に分布していれば素直にOKだったが、少なくともそれは否定され、個別の受容体はそれぞれの味をもっと総合的に判断ていうか電気信号を送っているらしい。 さりとて、どうも個人的な体験からいえば舌の部位により特定の味に対して感じ方の差異はありそうである。 マクドナルド藤田氏逝く。 私は、自分のポリシーとして、いかなる時もなるべくマクドナルドのハンバーガーを食べる事を回避してきた。もちろん、マイナー志向ゆえ、モスが好きという事もあるが、安価でハンバーガーが食べられるという環境自体が日本酒にとって良くないという考えからその象徴であるマクドナルドの収益に一円たりとも貢献したくなかったのである。 以下少し長いが日経ビジネスから、引用します。 もっとも、藤田氏は他の(外食ビジネス)“第一世代”に多く見られるような料理や店そのものをこよなく愛するタイプではなく、飲食業というビジネスに興味の大半を注いでいました。実際に、ハンバーガー自体はそれほど好きではなかった節があり、大阪出身らしく、普段はうどんが好物だったようです。今ではほとんどの人が忘れていますが、日本マクドナルドが一時、うどんメニューを投入したことがあったことも、そのことを裏付けています。 1971年、歩行者天国で賑わう銀座で一号店のオープニングセレモニーが華やかに行われた裏で、「コメの文化で育った日本人がハンバーガーなんか食べるはずがない」と酷評する向きもありました。それが今では、3700店余りの店で年間13億個近くのハンバーガー類を売るまでに成長しました。日本人1人当たり年10回は訪れている計算になります。 大胆な予測と緻密な計算が同居した希代の経営者であることに異論はないでしょう。しかし、本当はマクドナルドというビジネスやハンバーガーという食をどう捉えていたのか、自分の人生の中で外食産業はどのような意味をもっていたのかなど、今だからお聞きしたいことがたくさんありました。そうした30有余年の思いを小誌に連載させていただけないかと何度か手紙を出しましたが、結局返事が来ることはありませんでした。 用意していたタイトルは「外食ざんげ録」。外食産業の過去のみならず、未来を語るうえでも貴重な証人を失ってしまったことは残念でなりません。 様々な含蓄のある文章であり、藤田氏の偉大さはいうまでもない。矮小な我々に出来る事は「ハンバーガーの文化で育った日本人が日本酒なんか飲むはずがない」という酷評を極めて部分的に覆していく事だけである。 うなぎ 先日、浜松でうなぎを食べてきた。(正確にいうとここの酒屋さんにごちそうになった。)うなぎのかばやきは見る機会はあるが、うなぎそのものを見る機会はそれほどない。天然うなぎと養殖うなぎは色が違う。天然うなぎは黄色っぽいグレー(鮎をもっと黒く濃くしたような色)に対して養殖うなぎは単純な深いグレーで全然色が違う。ただ天然うなぎは環境によって色が違うようで基本的には水の色等に近くなり例えば天竜川のうなぎはややエメラルドっぽい色になるとのことである。動きも養殖のうなぎよりはるかに活発で動き回っている。 それで肝心の味は養殖ものよりもはるかに脂肪の含有率が低いのでくどくなくとてもおいしい。ごくわずかにクリスピーな感じもあってとても良い。純米系の志太泉八反純米吟醸原酒にもすごく合いそうだ。大阪の水茄子の浅漬けやレモンと白餡のゼリー等(違っていたらごめんなさい)もすごく繊細なおいしさでした。 美味しい天然うなぎの食べれるお店⇒http://www.h4.dion.ne.jp/~h1414235/index.htm 久しぶりの明るいニュース 静岡新聞8月7日より静岡県産の酒の出荷量が微増(前年比+0.6%)。普通の業界であれば別にどうこういう数字ではないが、昭和48年をピークに約30年間需要がほぼ一貫して減り続けている、堂々たる構造不況業種日本酒においては驚異的数字である。ちなみによくバブル崩壊後日本経済「失われた10年」などとよく言われるが、甘い甘い日本酒業界は「失われた30年 」歴史と伝統が違います。
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