しずおか地酒サロン 地酒と食とおもてなし

2003.6.21 しずおか地酒サロン 地酒と食とおもてなし
 6月21日久しぶりに伊豆、稲取まで行ってきました。でも別に遊びに行ったのではありません。一応、しずおか地酒研究会のしずおか地酒サロン「地酒と食とおもてなし」に出席するためですのでお仕事です。と言いつつ半分仕事モード、半分遊びモードで出席してきました。
 伊豆、稲取までは、杉錦の杉井社長の車に乗せて頂きました。天城越えをしていただいた杉井社長に感謝です。昼食は稲取の誇宇耶さんで地酒研究会の常連さんといっしょにでお蕎麦をいただきました。誇宇耶さんのお蕎麦は大変美味しくまたリーズナブルです、静岡県の酒も大変充実しています。特に小夜衣さんのお酒があるところは、蔵元としてはなく一地酒ファンとしてはうれしいところです。さざえをいただいたのですが、これは普段食べるさざえとは比べ物にならないくらい美味しかったです。
 その後、みかんワインの工場を見学しました。醗酵しているところは、季節違いで、見れなかったですが、ついどうやって造るのか気になります。喜久酔の青島さんも国香の松尾さんも気になったようです。お互い職業病です。
 名物のつるし雛というのもはじめて見て来ました。これは、桃とか柿、猿、うさぎなどをかたどったかざり雛をつるす稲取独特の人形です。それぞれのアイテムが厄に打ち勝ったり、様々意味がこめられているそうです。
 さて、会場のうえじま旅館にて、藤田千恵子氏のトークサロンがはじまりました。藤田氏といえば、「dancyu」「オレンジページ」等で活躍されており、「日本の大吟醸一〇〇」という本も上梓されてる食と酒の関わりには大変造詣の深い方です。今回は観光地での食や酒の関わりについて語っていただきました。
 その内容は、旅のいちばん大きな目的の一つは、その土地の美味しい食と酒を楽しむ事である。しかし、残念なことには、旅館の食事には失望させられる事が多い。その理由は全国どこへ行っても同じ画一的で品数だけを増やしたメニュー構成であり、具体的には、冷えた衣がべたついたてんぷらとかぬるくなって鮮度の落ちた刺身の盛り合わせや添加物や着色料のたっぷりの食べ物の存在である。またもう一つの楽しみである酒も土地とはなんの関係もないナショナルブランドのお酒で、土地の食べ物と本来相性の良い地酒が飲めない。旅館の許可をいただいてあらかじめお酒を旅館に自分で選んだお酒を送ったり本末転倒である。
 そんな中でも例えば有機食材にこだわったり少しずつ本来の旅の楽しみの食を安心して楽しめる宿が少しずつ増えてきた事はうれしい事である。ずいぶん乱暴にまとめるとこんな感じでした。
 伊豆というのも、日本を代表する観光地でありながら多くの宿はこんな状態です。ただ、魅力のある旅を求める新しい客層が現れてきた反面、旧態どおりの団体旅行で大騒ぎ、食も見ための豪華さが酒は味は関係なく熱燗があればいいっていう客も多いでしょう。そういう団体客の比率が高ければ魅力がなくなるのは無理もないともいえます。ただこうなると一般的な日本酒と同じく構造的長期低落なんだよね。
 その後は、今回参加の杉錦、喜久酔、国香、志太泉の4蔵を交えて放談をいたしました。食と酒の組み合わせで、私は、ぜひ食の旬の季節感とお酒の季節感(しぼりたて、ひやおろし等)をシンクロさせたら面白いじゃないかと勝手なことを言ってきました。
 最後に藤田さんより、純米カップ酒普及化計画の提案がありました。現状では流通の問題もあり難しいですが、なんらかの手軽に美味い日本酒が飲める形態の必要性は感じます。
 この後は、地酒研究会のメンバーや地元の方とお酒を飲みながら懇親会となりました。この会を通して誇宇耶さんと村為さんには大変お世話になりました。村為さんのホームページには稲取で静岡県の地酒が楽しめる飲食店や宿がたくさん掲載されています。稲取に行かれる方はぜひ参考にしてください。

さて、明日は朝から名古屋に移動です。

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