普通酒の紹介
種類 使用米 精米歩合 使用酵母 アルコール度 日本酒度 酸度
普通酒 富山 五百万石 麹米
山形 ひとめぼれ 掛米
65% 静岡酵母 N0-2 約15.4 +6.0 1.3
 さて問題です。「日本酒の蔵元(特に地酒)のウェブサイトの全般的な特徴はなんでしょう?」答えは、いろいろありますが、その一つに、「自蔵の普通酒の存在に言及しない。あるいは、言及していても軽くスルーしている。」という特徴があります。これは、地酒蔵が、普通酒あるいは三増混和酒を造っている事を出来れば、あまり触れたくない。純米や吟醸の事をもっとPRしたいという事実を如実に示しています。これは、同じ蔵元としてよく心情は理解出来ます。私も、蔵に戻って来た直後に、見学したある銘譲蔵は当時2000石の生産量のほぼすべてが吟醸酒でした。この蔵に対しては非常にかっこいいというか、蔵のあり方として魅力的に感じました。若い蔵元には、普遍的に、吟醸や純米を造る事は、良い事で普通酒を造る事は悪い事という事が刷り込まれている事が示されています。
 ただし、現在は私もずいぶん考えが変りました。志太泉の普通酒は、すべての酒の中でもっとも力を入れて造っています。この理由は、静岡の片田舎で日常飲まれる酒は、価格的に税込1700円程度が限度でこの制約の中でいかに美味しい酒を造るかという事は非常にやりがいのある仕事だからです。同時にH16BYからの普通酒は,私が一番自信をもっています。H6BYからの経年でもっとも品質は最高になっています。また、普通酒は環境として必ずしも家庭で冷蔵保存されるわけではありません。過酷な環境の中でいかに老香の出にくい酒にするには、麹造りでかなり固めにもっていく必要があります。また、濾過時に活性炭使用量も非常に少なくするためには、粕歩合を大幅に上げて強い濾過の必要のない酒質に仕上げています。 
1.8L

Homeへもどる