蔵の忘年会

(またまた今回も志太泉ローカルでの話です。酒屋万流ですから、それぞれの蔵により、流儀はぜんぜん違うかもしれません)

 皆様、もう忘年会は、終わりましたか?17日あたりは、会社の忘年会が多かったでしょうね。私も、会社員だった頃は、12月半ば位に、所属課の忘年会があったような記憶があります。
 もちろん蔵元にも忘年会はあります。いちばんの違いは、その時期なんと志太泉の忘年会は、11月20日に終わってしまっているのです。蔵人の歓迎会と忘年会を兼ねていると事と、12月は製造も販売も忙しくなってしまうためです。
 忘年会では、蔵人が必ず酒造り唄が合唱します。というのは嘘で、なかなかそういう伝統的な光景も見られなくなりました。
 忘年会自体は、普通の会社の忘年会と特にかわりません。社長が挨拶して杜氏さんが乾杯の音頭をとって、後は無礼講です。今年は、五年前の大吟醸で乾杯しました。後は、最初のビール数本が、終わるとひたすら日本酒。日本酒。日本酒。純米。普通酒のお燗。大吟醸。普通酒のお燗。特別本醸造・・・・・・・・という感じでこの日ばかりは、覚悟を決めて飲みますね。(飲めない人、女性は別にして酒量の目安は最低720ML以上)
 あとは、それぞれ、お酒の話、仕事(酒造り)の話、趣味の話、いろいろな話をします。一般的に、南部(岩手県)の人は普段、寡黙ですから、なかなかこういう時でないとつっこんだ話もできません。
 歌の好きな人は、カラオケもします。杜氏さんは演歌(北国の春等)をよく歌います。

※ 酒造り唄は、酒母の工程でよく唄われていたようなので、酒母の工程の変化で唄われなくなってきたようです。今は、耳にする事も少なくなりました。今年から蔵入りした北条さんがアカペラで酒造り唄を唄ってくれました。今こういうのを唄えるのはクールだなと思います。
 

[初稿1999.12.5 改稿2002.3.18]