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志太泉は中小蔵としては、かなり製造情報を開示しています。情報を公開した上で、自由に各蔵が酒造りのやり方を発展させればよいのではないかと蔵として考えています。
 また、吟醸酒、本醸造、普通酒に使われる原料用アルコールについてこちら

<平成23酒造年度の使用酵母と使用理由>
NEW-5 蔵出しいちばん 特別本醸造 純米酒 純米吟醸焼津山田錦 純米吟醸八反35号 純米吟醸おりがらみ
HD-1 吟醸 純米吟醸 純米大吟醸
NO-2 本醸造 普通酒
M310 大吟醸 全国新酒鑑評会および能登杜氏鑑評会用 
HD-1とM310 純米吟醸入魂山田錦

<平成22酒造年度の使用酵母と使用理由>
NEW-5 蔵出しいちばん 特別本醸造 純米酒 純米吟醸焼津山田錦 純米吟醸八反35号 純米吟醸おりがらみ
HD-1 吟醸 純米吟醸愛山  純米吟醸 純米大吟醸
NO-2 本醸造 普通酒
M310 大吟醸 全国新酒鑑評会および能登杜氏鑑評会用 
HD-1とM310 純米吟醸入魂山田錦
※平成21酒造年度と比較すると、特別本醸造でHD-1の使用をやめました。この理由は五百万石の米が固い事から、HD-1の使用があるとあまりにも酒質が固くなりすぎる事を懸念したからです。純米吟醸入魂山田錦では、酒母の段階から酵母をブレンドしています。これは、M310単独ではキレが悪くなるという判断からです。

<平成21酒造年度の使用酵母と使用理由>
NEW-5 蔵出しいちばん 特別本醸造 純米酒 純米吟醸焼津山田錦 純米吟醸八反35号
HD-1 吟醸 純米吟醸愛山 特別本醸造の一部 純米吟醸 純米大吟醸
NO-2 本醸造 普通酒
M310 大吟醸 全国新酒鑑評会および能登杜氏鑑評会用 結果として非常にカプロン酸エチル濃度は高くなり10PPM程度となりました。純米吟醸入魂山田錦
※平成20酒造年度からは、HD-1の泡なし酵母HD-101も分譲されております。志太泉ではまだ使用しておりません。理由は酵母選択に関しては保守的だからです。

<平成20酒造年度の使用酵母とその使用理由>
NEW-5
 本醸造蔵出しいちばん、特別本醸造、純米酒、純米吟醸焼津山田錦、純米吟醸八反35号
 順調なもろみ経過が期待でき低酸でまろやかな味わいを求めて堅実選択。香りは適度なカプロン酸エチルと十分な酢酸イソアミルでバランスさせる。本醸造の蔵出しいちばんについてはいままでの実績があるのとしぼりたてとして上槽後すぐ飲むにはHD-1やNO-2より味に幅があるので飲みやすいため。
HD-1 吟醸酒 純米吟醸愛山 純米吟醸兵庫山田錦 純米大吟醸
 吟醸については、山田錦の精米歩合50%のアルコール添加酒でNEW-5だと酸度が低すぎる可能性があるため。純米吟醸愛山については、昨年の酒の再現性を求めた選択です。純米吟醸兵庫山田錦については、酢酸イソアミルの強い酒の方を作りたいからです。
NO-2 本醸造、普通酒
 醗酵力があり、普通酒もろみとして低温経過をとるのに向いています。またはNEW-5と使用を迷いましたがより香りが軽いNO-2を選択しています。(アルコール耐性自体は志太泉においてはNEW-5の方がありそうです)
M310 大吟醸
 全国鑑評会用です。カプロン酸エチルの高い酒を造るためです。大吟醸は結果としてカプロン酸エチル濃度は8PPM程度になりました。純米吟醸入魂山田錦

<平成19酒造年度の使用酵母とその使用理由>
NEW-5
 本醸造蔵出しいちばん、特別本醸造、純米酒、純米吟醸焼津山田錦、純米吟醸八反35号、純米吟醸兵庫山田錦
 順調なもろみ経過が期待でき低酸でまろやかな味わいを求めて堅実選択。香りは適度なカプロン酸エチルと十分な酢酸イソアミルでバランスさせる。本醸造の蔵出しいちばんについてはいままでの実績があるのとしぼりたてとして上槽後すぐ飲むにはHD-1やNO-2より味に幅があるので飲みやすいため。
HD-1 吟醸酒 純米吟醸愛山 純米大吟醸
 山田錦の精米歩合50%のアルコール添加酒でNEW-5だと酸度が低すぎる可能性があるため。純米吟醸愛山については経験もデータもありませんが、世の中のうまく出来た愛山の酒とHD-1の酒のイメージを重ねるとこれがいいのではという予測があります。
NO-2 本醸造、普通酒
 醗酵力があり、普通酒もろみとして低温経過をとるのに向いています。また本醸造はNEW-5と使用を迷いましたがより香りが軽いNO-2を選択しています。
M310
 大吟醸
 全国鑑評会用です。カプロン酸エチルの高い酒を造るためです。純米吟醸入魂山田錦

<酵母ってどんな色>
酵母といっても、なかなか、一般の方にはイメージしにくいと思います。実際に蔵元で使用される酵母(純粋培養酵母)は、その使用法からすると2種類に分かれます。一つはアンプルと呼ばれるものでこんなアンプルに入っています。こう見るととてもグラデーションがきれいですね。これを直接使用します。


<写真日本醸造協会HPより>

もう一つは、スラント(斜面培地)にある酵母をクリーンベンチ(写真@)内で植菌して麹室で拡大培養して用いる場合があります。
こちらが、あこがれ(?)の静岡酵母の(写真A)スラントです。白く写っているのが酵母(写真B)です。

@ A B C
この白い部分を、白金耳で培養液に植えて、麹室で約48時間培養します。培養液は麹エキスを用いるものと、グルコースやポリペトン等から作るものがあります。写真Cが培養中の酵母ですが、瓶の底に白い層を作って沈殿します。
<但し、おそらく酒造免許を持たない一般の方は、入手出来ません。>

 志太泉で使用する酵母の主体は静岡酵母です。一口に静岡酵母といってもその種類は非常に多いですが最も静岡県でよく使われているのはHD-1、NEW-5、NO-2の三種類です。この内志太泉では主にNEW-5とNO-2を使用しています。(H13BY)この他、最も普遍的な吟醸酵母協会9号酵母、金澤酵母といわれる協会14号酵母、香りの高い明利酵母等を使用しています。
 非常に乱暴な例えですが、酒を建物の例えると麹づくりは、建物の骨格(土台、柱)に例えられものです。それに対し、酵母の選択というのは、いわば内装のような存在です。ですから、例え骨格がしっかりしなくても内装で瀟洒さ豪華さは装う事はできます。かつて通常の吟醸酵母しかなかった時代には、麹造りが成功してはじめて十分な吟醸香が得られましたが、現在の主流である香気成分を多量に産出する酵母を使えばきわめていいかげんな麹づくりをしたとしても香りは出ます。しかし、そのような酒は香りと酒の調和を欠き、熟成による秋上がりは期待出来ず、劣化あるのみです。
 志太泉では、通常の吟醸酵母で仕込みを基本とし、慎重に年2本程度、香りの高い酵母で仕込みます。

<静岡県酵母について>
 静岡酵母については、清水氏による静岡酵母マニアックス⇒http://www.dd.iij4u.or.jp/~kshimz/sake/shizuoka-yeast.html
をWeb上には超える資料はありませんが、志太泉での各酵母に対する所見を付け加えておきます。
HD-1 静岡県を代表する吟醸酵母で、昭和60年前後の静岡県の全国新酒鑑評会での躍進の原動力となりました。酢酸イソアミルを主体とした独特の吟醸香は、凛とした魅力があります。この酵母の力を生かすには、一種独特な吟醸造りの方法をとらなければなりません。また擬人的にいえば気難しい酵母で、大成功から並そして大失敗まで結果は分かれると思います。
NEW-5 現在、静岡県の蔵元では、かなり多く使われています。もろみで低温にして場合も、もろみ後期でも弱る事が少ないです。製成酒は低酸でおだやかな吟醸香があります。こちらは、HD-1と対照的に平均点以上の酒が確実に期待できます。野球でいえば、単打主体のイチローのような感じです。
NO-2 こちらも、極めて低酸でマイルドな製成酒が期待できます。またうまくいくとかなり酢酸イソアミルのバナナ香が出る場合もあります。
SY-103 最近は使用していておりませんが、普通酒で使用し、醗酵力の強い酵母でした。
5MT-14 H11BYで使用いたしました。その当時の使用した感想です。

CA-50.MS-25は使用実績がありません。

<きょうかい酵母について>
きょうかい酵母につきましては、きょうかい酵母マニアックスに記しました。

また、きょうかい酵母を配賦している日本醸造協会のサイトはこちらです。
日本醸造協会⇒http://www.jozo.or.jp/i.kouboda.htm

<平成16酒造年度の使用酵母とその使用理由 >
NEW-5
 本醸造、特別本醸造、吟醸、純米吟醸焼津山田錦、純米吟醸八反35号
 順調なもろみ経過が期待でき低酸でまろやかな味わいを求めて堅実選択。香りは適度なカプロン酸エチルと十分な酢酸イソアミルでバランスさせる。なお今年は、八反35号の使用酵母をNEW-5に変更し、結果をH15BYと比較する。
きょうかい9号 吟醸、純米吟醸、大吟醸
 NEW-5より微妙にカプロン酸エチルを欲しい酒に使用。また、酸ももろみではNEW-5より0.1から0.2高くしたい酒(これはアルコール添加するため)。
HD-1 純米大吟醸
 実にひさしぶりにHD-1を使用。結果が楽しみです。
NO-2 普通酒
 醗酵力があり、普通酒もろみとして低温経過をとるのに向いています。

<平成15酒造年度の使用酵母とその使用理由 >
NEW-5 本醸造、特別本醸造、吟醸、純米吟醸焼津山田錦、純米吟醸、大吟醸40
 静岡県酵母の中でも最も安定したもろみ経過が期待でき後半でもろみが弱る事が少なく順調に日本酒度がきれるから。低酸でまろやかな味わい。香り適度なカプロン酸エチルと十分な酢酸イソアミルのバランスに優れるから。
きょうかい9号 吟醸、純米大吟醸、大吟醸35
 NEW-5より微妙にカプロン酸エチルを欲しい酒に使用。また、酸ももろみではNEW-5より0.1から0.2高くしたい酒(これはアルコール添加するため)。吟醸50では唯一酵母培養の段階でNEW-5とブレンド。
きょうかい14号 純米吟醸八反35号
 昨年度個性的な酒が出来たから引き続き、広島の米と金沢酵母と静岡流造りの究極のミスマッチを目指して。高酸(?)。味わいはビターチョコレート(??)。異質の香気バランス(???)を狙う。
NO-2 普通酒
 出来れば、あまりカプロン酸エチルを感じない酢酸イソアミルに偏った香気バランスにしたいため。よく出来た低酸型のきょうかい7号の酒のような感じが理想。

平成14酒造年度の使用酵母
酒の種類 精米歩合 使用酵母
本醸造 59(AVE) NEW-5
特別本醸造 50 NEW-5
純米酒 60 NEW-5
純米吟醸(焼津山田錦) 55 NEW-5
純米吟醸(兵庫山田錦) 50 Kー9
純米吟醸(広島八反35) 50 Kー14
純米大吟醸 40 K−9. 1A
大吟醸 35 NEWー5
大吟醸 40 K−9
普通酒 65 NEW-5. NO-2
今年はNEW−5が主力です。